大判例

20世紀の現憲法下の裁判例を掲載しています。

京都地方裁判所 平成6年(わ)978号 判決

本籍

京都市中京区壬生東大竹町二二番地の一七

住居

右同所

会社役員

依田二三夫

昭和一六年九月一一日生

右の者に対する所得税法違反被告事件について、当裁判所は、検察官内田匡厚出席の上審理し、次のとおり判決する。

主文

被告人を懲役一年六月及び罰金三〇〇〇万円に処する。

右罰金に完納することができないときは、金二〇万円を一日に換算した期間被告人を労役場に留置する。

この裁判の確定した日から三年間右懲役刑の執行を猶予する。

理由

(罪となるべき事実)

被告人は、京都市中京区壬生東大竹町二二番地の一七において、「依田電気」の屋号で電気工事業を営んでいたものであるが、自己の所得税を免れようと企て

第一  平成二年分の実際総所得金額が九三〇九万一六二五円であったにもかかわらず、所得金額を過少にした所得税確定申告書を作成するなどし、その総所得金額のうち八七三九万一六二五円を秘匿した上、平成三年三月一三日、京都市中京区柳馬場通二条下る等持寺町一五番地所在の中京税務署において、同税務署長に対し、総所得金額が五七〇万円で、これに対する所得税額が二三万七三〇〇円である旨の内容虚偽の所得税確定申告書を提出し、もって不正の行為により、平成二年分の正規の所得税額四一一五万七〇〇〇円との差額四〇九一万九七〇〇円を免れ

第二  平成三年分の実際総所得金額が五四九九万二七七〇円であったにもかかわらず、前同様の行為により、その総所得金額のうち四八八九万二七七〇円を秘匿した上、平成四年三月一三日、前記中京税務署において、同税務署長に対し、総所得金額が六一〇万円で、これに対する所得税額が二六万八三〇〇円である旨の内容虚偽の所得税確定申告書を提出し、もって不正の行為により、平成三年分の正規の所得税額二二〇六万三〇〇〇円との差額二一七九万四七〇〇円を免れ

第三  平成四年分の実際総所得金額が一億三四九六万八五〇〇円であったにもかかわらず、前同様の行為により、その総所得金額のうち一億二七四六万八五〇〇円を秘匿した上、平成五年三月一二日、前記中京税務署において、同税務署長に対し、総所得金額が七五〇万円で、これに対する所得税額が五六万四四〇〇円である旨の内容虚偽の所得税確定申告書を提出し、もって不正の行為により、平成四年分の正規の所得税額六二一七万円との差額六一六〇万五六〇〇円を免れ

たものである。

(証拠の標目)

判示全事実について、被告人の当公判廷における供述のほか、記録中の証拠等関係カード(検察官請求分)に記載されている次の番号の各証拠

判示全事実について

7、8、12ないし17、20ないし51、54ないし68

判示第一の事実について

1、2、11

判示第二の事実について

3、4

判示第三の事実について

5、6、9、10、18、19

(法令の適用)

罰条 いずれも所得税法二三八条

刑種の選択 各所定刑中いずれも懲役及び罰金とを併料

併合罪加重 懲役刑について刑法四五条前段、四七条本文、一〇条(犯情の最も重い判示第三の罪の刑に法定加重)

罰金刑について同法四五条前段、四八条二項

労役場留置 同法一八条

刑の執行猶予 懲役刑について同法二五条一項

(裁判官 森下康広)

自由と民主主義を守るため、ウクライナ軍に支援を!
©大判例